買い物した代金を翌月に支払う手段としては日本ではクレジットカードが一般的だが、クレジットカードは与信審査の観点から若年層は所持しづらい。一方、後払いサービスはクレジットカードと比べて与信審査が厳しくないため、若年層から支持を集めている。

例えば、PaidyはECサイトで買い物をした際、メールアドレスと電話番号、認証コードを入力するだけで、購入代金の後払いが選択できる。そうした手軽さが受け入れられ、Paidyは2014年のサービス開始以降、利用者を増やし、現在アカウント数は600万件を超える。

日本国内では競合サービスとして、ネットプロテクションズが展開する「NP後払い」やGMOペイメントサービスの「GMO後払い」がある。それらと比較して、Paidyの強みはどこにあるのか。

Z世代向けのクレジットカード「Nudge(ナッジ)」を展開するNudgeに出資する、ジェネシアベンチャーズ代表取締役・ジェネラルパートナーの田島聡一氏は「分割払いも選択できる利便性」と語る。(編集部注:田島氏はジェネシア・ベンチャーズを立ち上げる前はPaidyに出資したサイバーエージェント・キャピタルに所属していた)。

「欧州で最も有名な後払い決済サービス『Klarna(クラーナ)』は無利子で4回までの分割払いが選択できます。彼らのように無利子で分割払いにも対応する攻め方をしているのは、国内のサービスでは(現時点では)Paidyしかいないと思います」(田島氏)

NP後払いやGMO後払いは分割払いが選択できず、一括払いしかできない。またメルペイが提供する「メルペイスマート払い」は分割支払いができるが、手数料は年率15%かかる。一方、Paidyが2020年10月に開始したサービス「3回あと払い」は分割手数料なしで支払い代金を“3回”まで分割することができる。

Paidyの公式サイトのスクリーンショット
Paidyの公式サイトのスクリーンショット

また、田島氏は「大手企業と提携して加盟店を増やすことで、トラクションを伸ばしていったこともPaidyの強さ」と語る。2019年11月にAmazonでの支払い方法のひとつとして導入されたほか、2021年4月にはPayPalと連携。そして、2021年7月にはVisaと提携し、Visaのオンライン加盟店でPaidyが利用できるようになった。

最近ではApple Store、Appleオンラインストアでの支払い方法として、最大24回、金利無料で分割払いが可能になるサービス「ペイディあと払いプランApple専用」も追加している。