──メルカリShopsは今後、独立したウェブサイトとしてもネットショップを開設できるようなサービスにしていく予定とのことですが、アプリ外では月間利用者1954万人(2021年6月末時点)のメルカリ経済圏の強みが生かせない気がします。メルカリを選択する理由がないと思われるアプリ外でのメルカリの強みはなんでしょうか。

メルカリのアプリ内での強みは、アプリの外でも発揮できると思っています。例えば、個人情報の認証部分です。商品を購入する際は、配送先の住所やクレジットカードの番号などの個人情報を入力しなければなりません。

そうした個人情報の認証などについては、メルカリが安心・安全に取引をマーケットプレイスであるために力を入れてきた部分でもあるので、そのノウハウや組織の体制などは生かせる部分がありますし、強みになると思います。

すべての画像提供:ソウゾウ
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「かんたん」は維持しつつ、必要な機能は追加予定

──ロジスティクスの部分など、今後提供予定の機能についても教えてください。

ロジスティクスに関しては、メルカリで提供している「メルカリ便」の仕組みなどを活用し、メルカリShopsでは「パワーアップ版メルカリ便」として、送り状の一括発行手続きをはじめ、大口個数の対応や匿名配送もできるようにする予定です。また、クール便にも対応し、生鮮食品を送りやすくすることも考えています。

今のところ、事業者が自分たちで発送の手配などをする仕組みになっているため、多くの商品価格が送料などの手数料が上乗せされたものになっている。こうした送料などの手数料は事業者側にジワジワとダメージが効いてくる部分なので、なるべく手数料を安くできるような仕組みをがんばって構築できればと思っているところです。そうすることで結果的に商品価格にもそれが反映され、商品を購入されるお客様にもメリットが生まれるようになります。

メルカリShopsは未完成でも何か役に立てる部分があるならば早く出した方がいい、という考えでリリースしているので、まだ完成形ではありません。今後も「かんたん」であることは維持しながら、必要になりそうな機能は入れていく予定です。

──現状、日本のEC化率は約8%ほどです。今後、メルカリShopsなどによって、日本のEC化率はさらに高くなっていくでしょうか。

個人的には高くなっていくと思っています。日本は(徒歩数分圏内にコンビニがあるなど)地理的な要因がEC化率を高めるブロッカーになっているという話はよく耳ににしますが、それ以外にもブロッカーとなっている要因はいくつかあります。そういったものを取り除くことで、一気にEC化率は上がっていくと思っています。