不妊治療ホルモン検査、卵巣の超音波検査など本格的な検査で、その後には検査の結果を踏まえ、不妊治療専門家との相談の時間もある。年齢と現在の卵子数を入れると、卵子凍結の成功確率がわかるようなシュミレーターもあり、卵子凍結をする適切なタイミングを相談できる。

Kindbodyウェブサイトより
Kindbodyウェブサイトより

特に卵子凍結に興味がなく、年齢が20代の筆者の友人たちにも声をかけたところ、自分の妊娠可能性が無料で検査できるということで、興味を持ってポップアップに立ち寄ったという人もいた。Kindbodyは移動式のポップアップトラックという手段を使い、卵子凍結をするか迷っている層、興味がある層を取り込むことに成功している。

2021年5月、同社は出産前から出産後までの一括サポートサービスの「Kindbody 360」を発表した。カウンセラー、代理出産ドナー、産後復職コーチなど、あらゆるニーズに対応するプランだ。妊娠より前の段階の卵子凍結、不妊治療で得た客に無事妊娠した後向けのサービスを出すのは、自然な流れだと感じた。

また、卵子凍結コンシェルジュのLiliaは女性に専門家やクリニックを紹介し、オーダーメイドの卵子凍結パッケージを作成している。

Liliaウェブサイトより
Liliaウェブサイトより

1回500ドル(約5万5000円)の会費を支払うことで、卵子凍結に関する科学的な情報、不妊治療クリニックの紹介や予約、精神的なサポートなどのサービスを受けることができる。サービスは2020年1月に開始され、カナダとアメリカの両国で利用可能。提携クリニックの大半はカナダのトロントと、サンフランシスコに拠点を置いている。

Elanza Wellnessは、卵子凍結を検討する人のためのコミュニティを提供している。ファウンダーは、自身も卵子凍結を行った2人の女性。彼女たちは、実際に卵子凍結をするためのリサーチに苦労した経験から、副作用の管理や良い病院の探し方などを話し合えるコミュニティを提供している。

Elanza Wellnessのコミュニティサイトより
Elanza Wellnessのコミュニティサイトより

自宅検査の需要が拡大、女性の健康分野でもテレヘルスが成長

パンデミックで成長する分野の2つ目が、自宅検査だ。パンデミックで急成長した遠隔医療領域だが、これはフェムテックにも広がっている。Forbesでも2021年のフェムテック注力領域として、自宅での健康管理を挙げている。

女性の5人に1人がなる尿路感染症(UTI)を対象にしたサービスを展開するScanwellは、自宅にいながらにして、臨床レベルの検査が可能で、検査結果が出たら(所要時間2分)、スマートフォンを介して遠隔医療機関に直接接続し、治療のための処方箋を受け取ることができる。