「面談をすれば会社の話題にもなるので、今までは採用担当が話していたようなことを、社員がさまざまな場面で楽しんで話してくれるように変わったという企業もいます。少しずつですが、そのような定性的な価値を感じていただけることも増えてきてました」(中村氏)

Meetyには今のところ企業用の管理画面もないため、あくまで現場の各メンバーが“勝手に”募集を出して、面談をするCtoC型のサービスになっている。だからこそ従来の採用サービスには出てこなかったライトなコンテンツも多数投稿され、新しいつながりが生まれやすい。

採用サービスの変遷をたどると、候補者が企業の求人に応募する「募集型」から始まり、SNSの普及とともにユーザーのプロフィールや行動情報などを軸に企業側から候補者に声をかける「スカウト型」が広がった。

中村氏によると、採用が上手くいっている企業ではこの2つと並行して「ファンベース型」の思想を取り入れた採用活動を始めているという。中村氏としても、Meetyの勝機をそこに見出しているようだ。

「(特にスタートアップにおいて)採用の難易度が高まってきている時代において、まずは会社のファンを作っていくような取り組みが広がってきています。『リファラル採用』や『採用マーケティング』、『タレントプール』といったキーワードは、どれも抽象化するとファンベースの話につながっていくもの。会社のファンを増やし、想起度を上げていくようなイメージです」

「Meety自体も直接的には採用につながっていないケースが多いですが、自社のファンが増えたという話をよく聞きます。アプローチは違いますが、たとえばYOUTRUSTなども(投稿をきっかけに会社の想起度やファンを増やしていくという観点で)文脈が近いのかなと考えています」(中村氏)

もちろんMeetyが採用サービスとして突き抜けていくためには、乗り越えなければならない壁も多い。

現在同サービスは完全無料で提供しているが、マネタイズの手段としては「企業から採用の予算でいただくことを想定している」(中村氏)。有料で使うとなると成果をシビアに評価されるだろうし、より“採用色”の強いコンテンツが増えていくかもしれない。

そうなった時に「いかに今のMeetyの特徴を維持しながらビジネスとしてスケールできるか」は大きな挑戦になりそうだ。