試しに簡単なランディングページを作り、数万円分だけウェブ広告を出稿してみたところ、すぐに10件ほどの問い合わせが来た。実際に話を聞いてみると課題も深く、すぐにでも使ってみたいと言われたそうだ。

「過去に十数個の新規事業を見てきたけれど、明らかに顧客へのハマり具合と初速が違った」と奥西氏は当時を振り返る。2020年7月ごろからサービスの企画を始め、同年11月に正式ローンチ。2021年5月からは病院やクリニックでの利用が本格的に増え、導入社数の伸びも加速した。

IVRyでは今後のさらなる成長に向け、組織体制の強化やプロダクトの機能拡充などに力を入れていく計画。そのための資金としてフェムトパートナーズとプレイドを引受先とする第三者割当増資により、約3億円を調達した。

奥西氏によると人員が限られている中小規模の企業は電話対応の課題を抱えているところも多いが、今までは「人力で頑張って対応する」くらいしか解決策がなかった。IVRyとしては電話DXの実現によって電話の在り方を変えていくことで、そのような企業の業務効率化を支えていきたいという。