時価総額が1兆ドル(約148兆円)を超えるハイテク企業は5社ある。ヘルスケア業界では、米イーライリリーがその最有力候補だ。  リリーは今年、大手製薬会社としては初めて時価総額が5000億ドルを突破した。肥満症・糖尿病治療薬の評判が高く、アルツハイマー病治療薬の実験薬も一定の評価を得ていることが背景にある。だが、リリーと競合会社のデンマークの製薬大手ノボノルディスクの前には、大手製薬会社の躍進にブレーキをかける現実、すなわち「特許の崖」が立ちはだかる。  「1兆ドルクラブ」に大手製薬会社が入っていない理由はいくつかあるが、医薬品開発に好不況の波があることがその上位に挙げられる。