他方、夜はそうした締め切りが作れないのが難点です。だから夜はいつまでもダラダラと仕事を続け、ある臨界点を迎えたところで「徹夜するか!」と開き直ってしまうのです。
(2)と(3)は、邪魔をするものが少ないということです。メールも電話もありません。集中しているところにほかの仕事を回してくる上司もいません。だから集中力を分断するものがないのです。
集中力が分断された3時間と分断されない1時間は、同じくらいの仕事効率があると私は考えています。要するにメールや電話のことを気にしながらする仕事は、効率が半分になるということです。
●結局、ロケットスタート時間術とは何なのか?
私の仕事の仕方についてお話ししてきましたが、まとめると次の4点に集約されます。
・すべての仕事をスタートダッシュでこなして、絶対に終えられる納期を導き出す。
・最初の2割の期間を「見積もり期間」としてもらい、実際には、仕事量の8割を終える。
・最初の2割の期間で8割の仕事ができなかったら、期限を延ばしてもらう。
・「仮眠を取る」と「マルチタスクをやめる」で、仕事の効率を上げる。
まず、すべての仕事をロケットスタートでこなします。これが鉄則です。忙しくないときこそハードに仕事をこなす必要があるのです。ラストスパートこそ諸悪の根源です。このことを絶対に忘れないでください。

中島聡 著
このロケットスタートの見積もりの期間はだいたい最初の2日間(最初の2割)です。見積もりというのは名目で、実際は全力で仕事に当たってみるのです。
この2日間では、具体的には20倍界王拳を使い、また「世捨て人モード」に入るので、メールも飲みの誘いも会議すら無視です。ラストスパートで徹夜をしないように、ノッているときは、最初のうちに徹夜をしてしまいましょう。
そうして2日聞の20倍界王拳が終わった後の3日目以降は、先述したように流しで仕事をすることになります。以上が私の仕事術の全体像です。