「空きっ腹で飲む」はダイエットにもよくない

 空きっ腹でいきなりお酒を飲む行為は、肝臓にとって大きなダメージ。なぜかというと、空腹時はアルコールの吸収が格段に早まるからです

 摂取したアルコールの5~20%は胃で吸収し、残りの80%以上が小腸で吸収されます。この小腸はテニスコート1面ほどもある内膜を持ち、吸収力が抜群。しかし、空腹だとさらに吸収スピードが加速し、瞬く間にアルコールを吸収してしまいます。急激に吸収されたアルコールは血管を通じて猛スピードで肝臓へ。肝臓には摂取したアルコールのほとんどを分解・解毒する働きがあります。そのため、一気にアルコールが送られると肝臓はフル稼働を余儀なくされ、大きな負担となります。

 これは、おつまみに含まれる糖質も同じ。空腹だと糖の吸収も早まり、血糖値が急上昇することによって太りやすい状態に陥ります。よく、ダイエットのためと飲む前に食事を抜く人もいますが、むしろ逆効果。飲酒の前は、必ず食べておいたほうが肝臓にもダイエットにもよいのです。

 お酒を飲む前に食べるものとしておすすめなのは、アルコールの代謝に必要なたんぱく質や、糖の吸収を緩やかにする食物繊維です。また、乳製品にはアルコールの吸収を遅らせる効果があり、肝臓の負担を軽減してくれます。食事がとれないときは牛乳1杯でもいいので、お腹に入れておきましょう。