11月23日に韓国1号店となるニトリがソウル市内にオープン11月23日に韓国1号店となるニトリがソウル市内にオープン、注目を集めている(写真:ニトリ プレスリリース)

11月23日、ソウルにニトリの韓国1号店がオープンした。オープン前から韓国でも注目を集めており、実際に客足も順調なようだ。ニトリは10年以内に200店舗展開を目指すとしているが、韓国には10年前からIKEAが進出している。国内の大手家具メーカーも含め、市場の競争は激化しそうだ。さらに韓国市場において、ニトリにはもう一つ不安要素がある。(韓国在住ライター 田中美蘭)

ソウルにニトリ1号店がオープン

 11月17日、アメリカ・サンフランシスコで開催されたAPECにおいて、日本の岸田文雄首相と韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が日韓首脳会談を行った。この会談は、日韓関係の蜜月を改めてアピールする場となり、両国の関係改善を感じさせるものだった。韓国では、ちょっとした“日本ブーム”が続いている。背景には、コロナ禍での出入国規制の大幅な緩和、韓国における政権交代、さらに最近の円安が追い風となっている。日本への旅行は引き続き人気であり、韓国内では日本関連の商戦に拍車がかかっている。

 そんな中、11月23日に韓国1号店となるニトリがソウル市内にオープン、注目を集めている。このニトリ1号店は、ソウル市内の大型スーパー、Eマート内にあり、売り場面積は約2500平方メートルに及ぶ。家具や生活雑貨など約5500種類の商品を取りそろえており、オープン初日から店内は多くの客で賑わい、韓国のメディアはもちろん、日本からの取材班も訪れるほどの注目度であった。

 気になる商品の価格は、日本と比較して約1.5倍に設定されている。日本での価格を知っていると「高い」と感じるかもしれないが、物価高騰が続き、いまや日本よりも物価が高いとされる韓国では、「決して高くない」との声が多く聞かれる。

 韓国でのニトリは1号店オープン前から知名度が高く、最大手のオンライン小売業者・クーパンでもニトリの寝具や調理器具、生活雑貨などを販売しており、商品の口コミ評価も「品質が良い」「使いやすい」と高評価を得ている。