「裏金」は日本の政治家の常識?
「給付金」「賃上げ」「物価高」「増税メガネ」「大阪万博の予算オーバー」に続いて、「裏金」――。2023年の日本は、はじめからおわりまで「カネ」にふりまわされた1年だったようだ。
年の瀬の日本を揺るがす自民党5派閥の裏金問題。その中でも特に槍玉に挙げられているのが、直近5年で5億円を超える裏金をつくっていたと報道されている最大派閥・安倍派だ。「大物議員の逮捕カウントダウン」もささやかれている中で、ネットやSNSでは以下のような怒りが爆発している。
「やはりこれは安倍一強の弊害だ!特捜部は徹底的に疑惑を追及して安倍派を解体に追い込め!」
「安倍元首相がいなくなった途端、旧統一教会問題や裏金問題が噴出した。これはジャニー喜多川氏が亡くなってからジャニーズの性加害問題が明らかになった構図とまったく同じだ。安倍晋三という政治家が裏でやっていたか徹底的に調べるべきだ!」
その気持ちは痛いほどわかる。ただ、一方で、ちょっと厳しいことを言わせていただくと、そういう「わかりやすい敵」をつくって吊るし上げて、権力闘争に利用している限り、いつまで経ってもこの手の問題はなくらないだろう。
マスコミは「リクルート事件級」「政界に衝撃」なんて感じで、非常に珍しいことが発覚したような感じで大騒ぎをしている。しかし、日本の政治史を冷静に振り返ってみれば、政治家が「表にならないカネ」をそっと懐に入れるというのは、80年以上前から継続している現象で特に驚くような話ではない。
つまり、安倍派がどうとか、自民党が腐っているとかいう話以前に、日本の政治家にとっては「裏金づくり」は基本中の基本というか、「平常運転」なのだ。
なぜそんなことになってしまったのかというと、実はあの「戦争」が関係している。