高齢者の住まい探しの一因は
「自宅の老朽化」にある
その理由を聞くため、R65不動産に取材を行った。
同社は、不動産会社に勤務していた若手社員が、高齢者の住まい探しが困難なことを知り、2016年に独立して開業した、65歳以上対象の不動産会社である。
「高齢の方が賃貸物件を探す理由はさまざまです。例えば、家族が亡くなり、小さな住まいに引っ越したい。持ち家に住んでいたが、修繕費がかかるため賃貸に住み替えたい。病院の近くに住みたいといった理由が多いです」(R65不動産・代表取締役社長・山本遼さん、以下同)
他にも、子どもの近所に引っ越したい。体が不自由になったので、1階に住みたい、という理由が多い。中でも目立つのが、老朽化のため自宅が取り壊しになってしまうケースだ。
「総務省平成25年住宅・土地統計調査によれば、現在、築40年以上の住宅が、全国に280万棟あります。高度成長期に大量に建てられた物件が、軒並み老朽化していることも、高齢者の物件探しが増えている理由の一つです」