高齢者の入居を断る主な理由は
「孤独死」「家賃滞納」「認知症」

 R65不動産が、2023年6月に行った高齢者の住宅に関する実態調査では、「住宅難民」の実態が明らかになった(インターネットによる調査、対象は賃貸物件探しの経験を持つ高齢者500人)。

・賃貸住宅の部屋探し経験のある高齢者(65歳以上)は、3人に1人以上(全体の35.7%)。最も多い住み替え理由は、家賃の低い物件に住み替えるため(36.6%)。

・高齢者の4人に1人以上(26.8%)が、年齢を理由とした賃貸住宅への入居拒否を経験。そのうち、5回以上断られた経験がある人は11.9%で、収入による差はない。

・賃貸住宅へ入居するまでに不満を感じた点は、

1位:そもそも候補となる物件情報が少なかった(20.2%)
2位:通常よりも経済的負担(初期費用など)が大きかった(10.2%)
3位:条件に合わない物件を紹介された(7.0%)
(調査結果から一部抜粋)

 高齢者の4人に1人が、年齢を理由に賃貸住宅への入居を断られる現実。それが如実に数字に表れている。

「入居を断られる理由はいろいろありますが、まず、高齢の方の孤独死です。特に一人暮らしの場合、死後何日もたってから見つかるケースが少なくありません。そうなると事故物件になりますが、それを家主は恐れているのです」

 加えて家賃滞納や認知症の可能性も、大きな拒否理由になっている。