キャスターの主力事業「CASTER BIZ」はリサーチやスケジュール調整、メール対応、データ入力など、日常雑務から専門分野までをサポートする法人向けのオンラインアシスタントサービスだ。累計の導入企業数は1000社を超えるが「そこで依頼される業務の8割は似ていて、1つ1つはそこまで難しくないタスクを積み重ねたもの」(石倉氏)。それらの業務を他の誰かにやってほしい人や、自分のスキルや時間を使って仕事にしたい人が一定数いることは分かっていたという。
事業の幅を広げていく上でいつかチャレンジしたいと考えていたサービスの1つが、「アウトソースの1番小さな単位」でもある個人間で仕事を受発注できる仕組みだった。だからこそbosyuを見たときに「この概念は広がっていくかもしれない」と思ったそうだ。
今回リニューアルを実施したのは、「bosyuが仕事の受発注にも使われる」というユーザーのニーズが見えてきたからではあるが、その意志決定の背景には、石倉氏の実体験があるという。
「学生時代にお金で苦労したこともあり、若手社会人だった時に新しく副業を始められないか、副収入を得られないかと考え情報収集したものの、難しくて手が出せませんでした。
でもbosyuを使えば、みんなが簡単に自分のスキルを表明でき、それが別の人にとってものすごくニーズがあるもので、感謝とともに少しのお金を稼ぐことができる。それなら当時の自分でもやってみようと思えるかもしれないし、同じような思いを抱えている人にも価値を提供できるかもしれないと思ったんです」(石倉氏)
bosyuは「仕事版のメルカリ」になる
石倉氏はリニューアル後のbosyuについて説明する際、「仕事版のメルカリ」という表現を用いることがあるという。
メルカリはスマホ1つで個人が簡単にモノを売買できる仕組みを作った。自分が着ない服や読み終えた本、使わなくなったアイテムを出品すると、それを必要とする誰かが購入する。同様にbosyuでは自分が好きなことや得意なことを募集という形で簡単に表明し、それが誰かに感謝される仕事になる。これが石倉氏たちがこれから広げていこうとしている世界観だ。
とはいえ、現在のbosyuはまだまだミニマムな機能のみを実装したもの。良くも悪くもとてもシンプルなサービスで、これから新たな機能や仕組みを追加しアップデートを行っていくという。
「ゆくゆくは、試しに副業を始めてみようと思った時、何か新しいことにチャレンジしようと思った時に『bosyuなら大丈夫』『とりあえずbosyuに行けばなんとかなる』という場所を実現するのが目標。募集を通じてお金を稼げるというだけではなく、それが人に喜んでもらえる、自分でも誰かの役に立てると実感できる場所にしていきたいです」(石倉氏)