また第三者委員会から、「ガバナンス不全で、組織のていをなしていない。誰が責任を持っているかもわからない」と指摘された日大だったが、12月4日の会見で林理事長はガバナンスを監視・検証する部署の新設を早急に行う方針を発表した。
そして12月15日、臨時の理事会が開かれ、アメフト部の廃部が正式に決定した。ただし、大学側は今後、部員のために新しい受け皿を設けるとしている。
廃部賛成派・反対派、
それぞれの意見
さて、ここまでが一連の流れである。「廃部」の可能性が報じられた後、結構な割合で聞かれるようになった「廃部は重すぎる。撤回を求める」という意見であるが、それでも「廃部でいたし方ないのでは」という意見も多かった印象である。両者の論拠を箇条書きにしてみる。
【廃部で仕方なし派】
・日大アメフト部にもはや自浄作用は期待できないから、過ちを繰り返さない・繰り返させないためには廃部にするしかない。
・部内にまん延する違法薬物のことを知りながら行動してこなかった部員らにも責任はあるはずで、純然無垢たる100%の被害者というわけではない。また、皆18歳以上である以上、一定の責任能力は求められて然るべきである。
・犯罪の悪質さ、陰惨さと、そのまん延の程度を鑑みると、連帯責任に照らし合わせて廃部が妥当ではないか。
【廃部を撤回してほしい派】
・上層部のゴタゴタがあったから社会問題としてより大きくなったのに、いよいよ収拾がつかなくなったから、部を廃部にすることで責任をアメフト部だけに押し付ける形で幕引きを図るのは、おかしいのではないか。