アフターコロナの時代になり、就活は売り手市場が続く。その一方、コロナ禍を経て企業の採用活動は大きく変わった。その変化についていけず、就活に苦戦する学生も多い。就活戦線を戦う学生と親は、どんな指針を持てばいいのか。まずは足もとの状況を正しく把握し、新しい時代の就活に備えよう。(取材・文/古井一匡)
「新しい時代」の就活・採用
現状はどうなっているのか?
2020年春から世界的に広がった新型コロナウイルス感染症。国内でも緊急事態宣言による外出自粛で、就活を含む社会活動が一気にフリーズした。
学生は企業説明会や採用面接が対面からオンラインに切り替わるなど、就活スタイルが大きく変わった。先輩や同級生との関係が希薄になり、就活に関する基本的な情報さえ手に入りにくい状況となった。サークルやアルバイトがなくなり、ES(エントリーシート)に記入する「ガクチカ」(学生時代に力を入れたこと)のネタがないと悩む人も続出した。
その一方、不測の事態に備えて早めに動き出したり、モチベーションを高く維持して状況に柔軟に対応したりして、順調に内定を獲得する“ツワモノ”もいた。
コロナ禍であぶり出されたのは、苦境の中でも冷静な判断ができる学生と、周囲の雰囲気などに流されたりしてしまう学生との、歴然とした差だったといえる。