新日本酒紀行「長珍」尾張津島天王祭の宵祭の提灯船 Photo by Masaki Ito

余計な濾過、加水、火入れせず。新聞紙包みの濃醇な生酒熟成

 織田信長も見たという尾張津島天王祭は、一艘400個近い提灯が幻想的に川面を照らし、600年の歴史を誇る。国の重要無形民俗文化財で、ユネスコの無形文化遺産にも登録された。その祭の会場近くで酒造りをするのが長珍酒造だ。創業1868年、当時の屋号は「提灯屋」だったが「末長く珍重される酒」を願って「長珍」に改名した。