新日本酒紀行「DASSAI BLUE」酒蔵外観 Photo by Dassai Blue Sake Brewery

最高の山田錦で最上の純米大吟醸酒を米国で醸す

 山口県の山奥の旭酒造が醸す、山田錦の純米大吟醸酒「獺祭(だつさい)」は、明快できれいな味が国内外で愛飲され、製造量の4割を輸出する人気酒だ。価値向上を目指して海外生産に挑み、米ニューヨーク州ハイドパーク市に今年の9月、酒蔵を開設。2017年に着工を計画したものの新型コロナウイルスの感染拡大や設計変更が重なり、完成に6年もかかり、建築費は予定の30億円の3倍近くに膨らんだ。

 米国でも日本同様、山田錦で純米大吟醸だけを醸す。米は10kg単位で手洗いし、麹は手造りと少量仕込みを徹底。「なぜ山田錦で純米大吟醸なのか?最高にしか興味がないからです」と会長の桜井博志さん。米国に移住し、全責任はわれにありと陣頭指揮を執る。