ニンジンと白インゲン豆が
「卵料理」に大変身

■カゴメ/Plant Based Ever Egg

「自然を、おいしく、楽しく。」をキャッチコピーに掲げるカゴメ。同社は2023年4月、プラントベースフードブランド「2foods」を手掛けるTWOと共同開発した「Plant Based Ever Egg」を発売した。

 プラントベースエッグは大豆を主原料にするケースが多いが、Ever Eggはニンジンと白インゲン豆という2種類の野菜を使って作られているという。

「Ever Eggは、お店のオムライスのような“ふわとろ食感”を目指して開発がスタートしました。そうして100パターンの野菜の組み合わせから選ばれたのが、ニンジンと白インゲン豆。この2つをTWOと共同開発した『野菜半熟化製法』(国内特許出願中)という独自製法を使っているのも特徴です。卵は加熱するほど固くなりますが、Ever Eggは火を入れすぎても固くなりにくく、ふわトロな食感をキープできます。そうした調理のしやすさも魅力のひとつですね」(カゴメ経営企画室広報グループ・榎木彩乃氏)

カゴメ/Plant Based Ever Egg画像提供:カゴメ
Ever Eggを使ったカルボナーラEver Eggを使ってカルボナーラや天津飯などの料理を作ることができる 画像提供:カゴメ

 カゴメがプラントベースフードの開発に乗り出したのは2019年。きっかけは、インバウンド需要の高まりだった。

「当時は、外国人観光客の団体客の中に1人でも動物性食品を選択しない『ビーガン食』や『プラントベース食』の方がいると、日本の飲食店やホテルの予約が取れないという課題がありました。そうしたニーズに対応できる食品の開発に取り組んだのが、当社のプラントベースフード事業のはじまりです。その後、コロナ禍でインバウンド需要は下がりましたが、国内での環境配慮や健康への意識が高まりから、日本でも市場が拡大。この状況を受け、当社でも家庭用のプラントベース食品の製造が本格化しました」

 カゴメは、業界をけん引するTWOとの業務提携を経て、プラントベースフード市場に本格参入。Ever Eggのほかにも、プラントベースのデミグラスソースやバターチキンカレーなども展開しており、今後もレパートリーを拡充していく予定だ。

「現在も、プラントベースフードや代替食品に対して『あまりおいしくなさそう』というイメージを抱いている方も少なくありません。しかし近年では、当社を含めて、さまざまな食品メーカーがプラントベースフードの開発に力を入れているようです。これまで敬遠しがちだった方にこそ、ぜひ手に取ってみてほしいですね」