「自分を成長させたい」と思うような優秀な人こそ、ビジネス書を手にしたり、スキルアップのために勉強したりします。本稿では、コンテンツプロデューザーの高瀬敦也氏が提唱するビジネススキルの一部を厳選して紹介します。
馬鹿なフリ力
謙虚であることの大切さは、偉大な人ほど説きます。私もそう思っていますが、思っている以上に大切なのだと思います。しかし、謙虚でいることはとても難しいものです。難しいからこそ偉大な先人たちが口を酸っぱくして伝えているのでしょう。
謙虚でいるのは難しい
ビジネス書を手にしたり、自分を成長させたいと思うような優秀な人こそ謙虚で居続けることは難しいものです。成長していることを嬉しく感じるでしょうし、確認してみたくもなります。自分より優秀だと思っていた人を追い抜いたと感じたりする場面もあるでしょう。「実るほど頭を垂れる稲穂かな」という素敵な言葉もあります。しかし、頭を垂れるのは刈り取られる直前です。すくすく伸びているイネは出穂してもまっすぐピンとしています。若い人や勢いよく伸びている人ほど難しいのです。
また、「自分の態度や話し方」は何も変わってなくても「周りの見方」が変わります。それは「圧倒的な結果」を残したり「社会的や経済的に大きな存在」になると、周りが畏怖心を感じるようになるからです。もともとフランクに話したり、大口をたたくキャラクターだったとしても、「アイツは横柄になった」と思われたりします。
このように、謙虚でいることの大切さには「学ぶ姿勢を保ち成長を続けるという内的な意味」の他に、「社会的評価に繋がる外的な意味」があります。内的な謙虚さは「とても複雑で奥深いもの」ですからテクニカルに身につく性質のものではありませんが、少なくとも対外的に謙虚な姿勢を見せることはできます。ここではまず、「外的な意味での謙虚さ」について考えてみます。
謙虚さとはキャラクター
まず「謙虚さ」の認識を変えます。そもそも謙虚さとは「心持ちや態度」のようですが、実は「キャラクター」です。ですから謙虚である人は謙虚だし、そうでない人は謙虚ではないのです。ですから自分に自信があり、周囲と折り合いが付きにくい人は「謙虚と思われるために演じればよい」ということになります。
文頭の“見出し”では読む人の気を引きたくて「馬鹿なフリ」と横柄に言いました(笑)。本当に言いたいことは「能ある鷹はツメを隠す」です。歳を重ね達観した人は、内面も含め稲穂のように首を垂れますが、「現役バリバリで勢いがあるのに謙虚に見える人」は、実はほとんど「ツメを隠している」状態です。