ここでひとつ誤解していただきたくないのは、「謙虚ではないキャラクターが悪いということではない」ということです。長所と短所は紙一重ですから、謙虚でなく一見横柄ともいうべき雰囲気が推進力になっている人もいるでしょうし、そのキャラクター自体が周囲の人に愛されている場合もあります。

「自分の強みや成功体験を他者に知って欲しくなる」のはビジネスをしている人なら当たり前の気持ちです。しかし、自分が優秀であるということを安易に伝えようとするのは、逆効果を生む可能性を孕んでいます。実際、「アピール強めの人」に対して好感を抱いた経験はあまりないと思います。自慢話や嫌味のように感じてしまいがちです。

「能ある鷹のツメ」は、どんなに隠してても見える人には見えますし、優秀な人ほど、優秀な人を見分ける力を持っています。安心してください。あなたの良いところは、伝わる人にはちゃんと伝わります。不自然なアピールや主張は必要ありません。

 このように外的に謙虚でいると、そのうちに「自分は能ある鷹のつもりだったけど能がなかった」とか「本当は鷹ですらなくてスズメくらいだった」とか「馬鹿なフリしてたつもりだったけど本当にバカだった」と感じることもできるようになります。結果として、「内的な意味での本当の謙虚さ」を心得ることができて、自分を人間として大きく成長させることもできるようになるのです。

寝る力

 寝ましょう。最近では睡眠の重要性がいろいろなところで説明されています。ほとんどの人が知っています。しかし、それでも多くの人は寝ません。仕事をする、深酒をする、スマホをいじる、理由は様々です。毎晩同じ時間に寝る必要はありません。とにかく睡眠時間を確保してください。それだけでビジネスはうまくいきます。

「それでも、無理なんだよ」という声も聞こえてきます。しかし、優先順位力のところでもお話しましたが「何を優先するか」です。私は何よりも睡眠を優先しています。スケジュールを組むときは、常に睡眠時間を確保してそこから逆算して予定を入れていきます。「この日は深酒しそうだな」と思ったら朝予定は入れません。さらに、自然に起きられるタイミングも計算します。