自信を持つだけで人はガラリと変わる
――成田さんは著作などで「事実は変えられなくても解釈は変えられる」という話をしています。
何か悪い出来事が起きたときに、「これは次に良いことが起こる予兆だ」と思うか、「私はなぜこんなに不運なんだ」と思うかで未来は違ってくる。考え方をポジティブに変えていくという話です。
――「プラス思考は、スキル」であると。
プラス思考を習得するには、それに関連する本を読んで実践してみることです。僕は、自己啓発書って、あながち間違っていない、人生を変えてくれると思っています。ナポレオン・ヒルの『思考は現実化する』とか、デール・カーネギーの『人を動かす』などを読んで、自分に合うと思ったメソッドをピックアップして、それを実践する。問題が起きたら、また本を読んで「こう捉えればいいのか」と思い直す。その繰り返しです。
日々、嫌なことって起こるじゃないですか。それを一日の最後、どう集約するかですよね。一日の終わりに「今日も学んだな」「いろいろあったけど、よかったじゃないか」と思えたらいい。そこをポジティブにできるかどうかで人生が変わります。
――物事をポジティブに捉える上で、自分の強みを見つけるにはどうしたらいいでしょうか。
誰もが、他人より多少はうまくできること、褒められること、ストレスなくやれちゃうことってあると思う。それを起点にすることですよね。あとは自分を卑下しないこと。「私なんて」って思わなくていい。むしろ勘違いでもいいから「私はこれが得意だ」って思い込む。
いや、すべては勘違いから始まると言ってもいいくらいです。自信を持つだけで人はガラリと変わります。何かができるから自信が持てるというより、自信を持つからいろいろなことが回り始めるんです。ここに気付いてほしいですね。で、得意なことを伸ばしていけば、それが強みになります。
不確実性の高い時代を生き抜くには、失敗を恐れずに挑戦することです。以前、ユーグレナの創業者である出雲充さんから、「成功確率1%の賭けごとも、100回やれば6割の確率で当たる。459回やれば99%の確率で当たる。だから、『失敗』とかいう話は459回やってから言え」と聞いたんです。459回とまではいかなくても、まず行動、そして挑戦。それが最終的には、現代を着実に生き抜く知恵に結び付くと考えています。