コンサル大解剖Photo:Krongkaew/gettyimages

コンサルタントへの転職時に、数百万円レベルの年収アップが期待できる「ホットスキル」とは? さらに、コンサル業界で近年特にビジネスニーズの高い領域、「生成AI時代」に求められるスキルセットとは――。長期連載『コンサル大解剖』の本稿では、6000人超の中から優れた結果を残したヘッドハンターを表彰するビズリーチ主催「JAPAN HEADHUNTER AWARDS コンサルティング部門MVP」を2023年まで3年連続で受賞した、エグゼクティブリンクの北條将也氏が、特別寄稿で気になる疑問に余すことなく回答。あなたが一段と「市場価値の高い人材」へと進化するための虎の巻を伝授する。

すご腕ヘッドハンターが明かす
年収増に直結のホットスキルとは?

 昨今のコンサルティング業界の成長は著しい。グローバルでは減速が指摘される時期もあったが、国内においては今のところ勢いに衰えは感じていない。むしろ、この先も当面、コンサル業界は右肩上がりで伸びるイメージを持っている。実際、基本的に各社の採用意欲は旺盛だ。

 IT領域人材の転職支援を中心に、この業界を担当するヘッドハンターとして以下、昨今の採用状況や、コンサルの中でもニーズが高く年収が上がりやすい分野、キャリアパスなどを巡る考え方を述べていきたい。

 ファームの種別で言えば、まず、「戦略系」は全般的に堅調といえるだろう。著名な大手外資系ファームでは、採用人数はこれまで年10人程度だったのが、近年は年50人から、多いと100人程度にまで膨れている。その背景には、案件獲得の仕方に広がりが出ている要因がある。

 戦略系の場合は従来、経営のトップ層がカウンターパートであるケースがほとんどだったが、最近では事業部長レベルなど以前より裾野が広がっている。また、一部の戦略系ファームでは「総合化」につながるような動きがみられ、提案を形にしていくUI/UXデザイナー、Techエンジニアやデータサイエンティストなどの採用を強める動きもある。

 総合系ファームについては、社内のユニットや職種に多様性があり、その中でムラはあるものの、戦略系と同様に全体として堅調だろう。また、新興系や、特定の分野に強みを持つブティック系のファームにも勢いがある。ブティック系の中には数百人程度の会社でも、中には月数十人規模で採用するなど、母数に対する増加率で見れば、より積極的な採用を行っている場合も見られる。

 職位で言えば、マネージャー層を中心に、自走可能な即戦力人材のニーズの高さを実感している。また、会社によっても温度差はあるものの、以前より高い年齢層の人材が採用されるケースも増えている。最近では、40代のみならず50代後半の採用事例もあり、ベテラン人材の転職支援を行う機会が増えたのは顕著な新潮流の一つだ。

 では近年、コンサル業界において特にビジネスニーズの高い領域とは何だろうか。

コンサルファームに転職すると前職から数百万円レベルの年収アップも珍しくない「ホットスキル」の具体例とは? さらに、近年コンサル業界で特にビジネスニーズの高い分野、「生成AI時代」に求められるコンサルの資質とは――。気になるこれらの疑問について、次ページでは、すご腕ヘッドハンターが自身の見解を特別寄稿。内外の関係者が気になる疑問に余すことなく答えながら、あなたが一段と「市場価値の高い人材」へと進化するための虎の巻を伝授する。