
足元で急成長を遂げているのが、国内系上場コンサルファームであるライズ・コンサルティング・グループだ。同社は、創業者の出自や「ワンプール制」といったビジネスモデルの類似性などから、“ベイカレントクローン”の一角としても認知されている。5月にライズ社長COOに就任した松岡竜大氏に、同社の強みと業績の中身について詳しく聞いた。長期連載『コンサル大解剖』の本稿では、松岡氏のインタビューの後編をお届けする。松岡氏は、同社が早晩、現状の3倍規模に当たる「1000人体制」が視野に入ることを強調した上で、その要となる採用方針について激白。さらには、今後ビジネスモデルの変革を迫りかねないAIなどの活用についても語った。(聞き手/ダイヤモンド編集部 山本 輝)
中途重視の採用方針
今後1000人体制も視野に
――採用の方針について教えてください。
実績としては、25年2月期に採用したメンバーのうち新卒が18人(25年4月入社)で、残りが中途でした。
われわれは、パートナー層、マネージャー・シニアマネージャー層、メンバー層の割合が、それぞれ1:3:6の状態を保てるようにしています。黄金比じゃないですけど、それぐらいが目も届いて、品質も担保できるカンファタブルな状態です。
ビジネスモデル的には、大量に仕入れた若い人をどんとクライアントに入れる方が利益は出ると思うんですけど、品質の問題などが生じた場合、お客さまにご迷惑をかけるので、その割合を守ることは意識しています。同様に、外注比率も増やし過ぎないようにしています。
――新卒の人数は、他社と比較すると少ないですね。
かなり低いと思いますね。もともと受け入れられる人数がせいぜい30人くらいなので、そこがベースになっています。
加えて、過去の傾向から見ると、新卒の人との比較だけで言えば、中途の人の方が活躍しやすいという感触もあります。IT知識や特定の業界知識など、われわれの教育の中で身に付けられない知識を持ってこられて、即戦力となるのが大きいのでしょうね。新卒の優秀な方に入社してもらうのは当然重要ですが、即戦力の意味では中途を重視しています。
なお、中途ではコンサル未経験者層も積極的に採用しています。昨年度は、未経験者向けのコンサルティング研修を四半期に1回のペースで実施しました。中身は新卒向けのものを少しカスタマイズしたものですが、丁寧な研修を行って、未経験でもコンサルスキルはある状態でオンボーディングできるようにしています。
――今後新卒の人数は増やしますか。
次ページでは、松岡氏が今後の新卒採用の方針を明らかにする。また、今後同社において「1000人体制」が視野に入る中で、退職率の抑制など規模拡大に向けた課題とその打ち手について詳しく語った。また、競合他社を見据えた単価の戦略についても明かす。