伊東純也がフランスで「干されなかった」3つの理由、性加害疑惑めぐりアジアカップと明暗Photo:Etsuo Hara/gettyimages

女性への性加害疑惑で刑事告訴されたFW伊東純也が、アジアカップ・カタール大会を戦っていた森保ジャパンを途中離脱させられ、ファン・サポーターを騒然とさせたのは記憶に新しい。さらに驚かされたのは、所属するフランス1部リーグのスタッド・ランスに復帰した直後の伊東が、2月11日の試合で先発フル出場したことだ。渦中の伊東は、なぜ所属クラブで「干されなかった」のか。日本サッカー協会と所属クラブが見せた、対応の違いを追った。(ノンフィクションライター 藤江直人)

性加害疑惑の渦中にある伊東が
まさかの先発フル出場

 女性への性加害疑惑で刑事告訴されたことを受け、中東カタールでアジアカップを戦っていた森保ジャパンからの途中離脱を余儀なくされたのが2月2日。その動向が注目されていた伊東純也が、代表離脱から9日後の11日、所属するフランス1部リーグのスタッド・ランスでいきなり戦列に復帰した。

 敵地で行われたロリアン戦で、伊東は主戦場の右ウイング(※)で先発。左ウイングの日本代表FW中村敬斗とともに両翼を形成し、後半途中で交代した中村と対照的に最後までプレー。0-2で完敗したものの、スポーツ紙「レキップ」がチーム最高となる10点満点中6点をつけるなど高水準のプレーを披露した。(※ウイング:サイドを主戦場するフォワード)

  レキップ紙は、伊東のプレーを次のように評している。

「日本において性的暴行で刑事告訴されたために、非常に注目されていた日本人の右ウイングは先発起用に応えた。たとえ断続的であったとしても、スタッド・ランスのオフェンスを率先していたのは間違いなく伊東だった。しかし、チームメートたちの助けを得られなかった」

 伊東が刑事告訴された件は、1月31日に新潮社のニュースサイト『デイリー新潮』が報じた。森保ジャパンの一員として臨んだ昨年6月のペルー代表との国際親善試合(パナソニックスタジアム吹田)後に飲食した2人の女性と、大阪市内のホテルで同意なく性行為に及んだとされている。

 女性側が刑事告訴へ踏み切ったのは1月18日。伊東の代理人弁護士も性加害はまったくの事実無根だとして、虚偽告訴容疑での告訴状を提出。ともに受理されて、現在は捜査が行われている。こうした動きのなかで、日本サッカー協会(JFA)とスタッド・ランスは対極的な対応を見せている。

 JFAは日本時間の2月1日夜に、森保ジャパンから伊東が離脱すると発表した。公式ホームページ(HP)上に掲載されたリリースで、JFAは伊東が離脱するに至った理由をこう説明していた。

「伊東純也選手に関する一部報道について、JFAでは報道されている事実関係の内容について当事者の主張が異なっていると理解しており、慎重な対応が求められると考えています。JFAとしては伊東選手本人の心身のコンディションを考慮した結果、本日付でチームを離れることを決定しました」

 しかし、数時間後に状況が一変する。伊東とともに戦いたいと望む選手たちの声を受けて、JFAは離脱を一時保留すると発表。さらに残留の方向で再検討するとされ、一夜明けた2日に日本にいるJFA幹部に弁護士ら有識者を加えたオンライン会議の結果、伊東の離脱が正式に決まった。