終活を始めるきっかけは、知り合いが始めた、親戚が亡くなった、認知症の人が事故に巻き込まれたニュースを見てなど、何でもいいと思います。まずは、行動に落とし込むことが重要です。

「何歳から始めたらいいのか?」という質問に対しては、健康寿命を目安にすることを提案しています。

 健康寿命とは、介護や支援を受けずに日常生活を送れる時期のこと。統計の年によって差がありますが、72歳から75歳の間で推移しています。このあたりの年齢を基準に「ひとり終活」を始めるのが理想です。

 決して平均寿命を基準にしてはいけないということは、明確にお伝えしておきたいところです。ちなみに、厚生労働省の推計によると、2022年の日本人の平均寿命は、男性が81.05歳、女性が87.09歳となっています。

 ではなぜ、平均寿命では遅いのでしょうか?

 平均寿命の段階になると、持病が悪化したり、介護が必要となったり、認知症を発症している恐れがあります。先ほど述べた気力・体力が低下するのもこの頃です。いろいろな説明を聞く、書類を確認する、資料を揃えるといったことが難しくなっている可能性があります。

「もっと早くやっていれば」とならないよう、「いつやるか? 健康寿命まででしょ!」という言葉を胸に刻んでいただければと思います。