ひとり終活大全#23Photo:PIXTA

相続トラブルを避けるための有効な対策は、遺言書を作成することだ。おひとりさまの「9人に1人」が活用しているという遺言書。自分の財産を誰にどう渡したいかの願いをかなえる遺言書が効力を発揮するためには、どう準備すればいいのか。特集『ひとり終活大全』(全24回)の#23は、最強の争族対策となる遺言書のポイントをお届けする。(ダイヤモンド編集部)

「週刊ダイヤモンド」2022年7月16日・23日合併号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は雑誌掲載時のもの。

遺言書がないと遺産分割協議へ
相続が“争族”へと化ける代表的な場

 おひとりさまのあなたがある日、自宅で突然死を迎えたとしよう。

 このとき、残された人々がどう対応すればいいかは、「遺言書」があるかどうかで大きく変わる。

 遺言書があった場合は、手続きは比較的スムーズだ。相続人の遺留分さえ侵害していなければ、遺言書に記した内容に従ってあなたの遺産は分割される。

 しかし、遺言書がなかった場合は大変だ。全ての相続人が集まり、「遺産分割協議」をする必要がある。この“家族会議”で、誰が何を相続するかを決める。

 法定相続分に沿って分割すればいいと感じるかもしれないが、実家や土地など単純に分割できない遺産もある。相続人それぞれに希望や思惑もあるため、相続が“争族”へと化ける代表的な場だ。

 次ページでは、おひとりさまの「9人に1人」が活用し、最強の争族対策になる遺言書の準備のポイントを解説する。