今年のお盆は実家に帰省する、という予定の人も多いのではないでしょうか。離れて暮らす家族が集まるお盆は、終活を始める絶好のチャンスです。久しぶりに高齢の親に会ったのであれば、じっくりと腰を据えて「これからどうしたい?」という話し合いをしてみませんか。終活サポートやシニアの人生相談を数多くこなす筆者は「正しい終活ができているシニアは1割もいない。確認すべきことをしなかったために苦労するのは、残された遺族、ほとんどの場合は現役世代の子どもです」と警告します。終活の第一歩として、親と何を話し合うべきなのか。本記事では10のポイントを解説します。(百寿コンシェルジュ協会理事長、社会福祉士 山崎 宏)
きちんと終活ができている老親世代は1割未満!
その実態は「能天気」「履き違え」「先送り」
筆者の会社では、シニアの終活サポートを行っています。いろいろなアンケートも行うのですが、きちんとした終活ができていない後期高齢者は9割以上。言い換えると、亡くなった時に家族、特に子どもに迷惑をかけない形で準備ができている人は1割もいないのが実態です。
後期高齢者(75歳以上、または一定の障害がある場合は65歳以上)を対象に終活アンケートを行うと、毎年ほぼ同じ結果で、3つのタイプに分かれます。(1)「うちは大丈夫」「子どもたちに任せてある」「大した財産もないので」という“ケ・セラ・セラ型”。(2)「エンディングノート、書いてます」「遺言、書きました」「葬儀を予約してあります」といった“勘違い型”。(3)「まだ元気だから」「そろそろ」「そのうち」のような“先送り型”。この3つです。
老親側はこれでも構いません。亡くなったり、認知症になったりしても、本人には支障がないからです。困るのは家族です。ほとんどの場合、不利益を被るのは現役世代のみなさんになります。ご自身の生活と人生を守るためにも、老親には備えてもらう必要があります。この類の話をするのは抵抗があるかもしれませんが、みなさんの老親リスクを回避し、未来を守るために、本記事で紹介する質問をぜひご両親にぶつけてみてください。以下詳しく説明していきますが、最終ページに10個の質問をまとめてあるので、急ぐ人はそこだけを確認しても構いません。