新トップは新興国畑
注目は副社長人事
いずれにせよ、3月1日から経営陣が刷新されるわけだが、社長に就任する井上雅宏氏は全くの無名の存在だった。
87年同志社大学経済学部卒、同年トヨタ自動車に入社し、現在は海外営業畑のトヨタ中南米本部長。本人いわく「海外経験がトヨタ勤続36年のうちおよそ半分、現在もブラジル・サンパウロ駐在」とのこと。トヨタ・佐藤社長は「新興国での勤務経験が長く、厳しい事業環境でもコミュニケーションを取ってきた。ダイハツが向かうべき方向へ、従業員全員と取り組んでくれると考えた」と選任の理由を述べる。
従来、トヨタからダイハツに送り込む社長はトヨタでは専務クラスの役員だったが、井上氏は取締役でも執行役員でもない。ダイハツとの関係も、京都出身で大学が同志社と、関西が地元ということだけだ。
井上氏を知るトヨタ関係者によると「トヨタ入社直後は生産管理部に配属されたが、その後はブラジルトヨタ出向から中南米本部と、新興国対応が長く会話を大事にするタイプだ」と言う。
また、ダイハツ新社長としては井上氏の格が低いのではとの見方に対して、同関係者はこの人事は豊田章男会長が決断したとし、注目すべきは副社長に送り込む桑田正規氏だとする。