桑田氏は、現在トヨタの子会社であるトヨタ自動車九州副社長とトヨタのレクサス電動化推進PJT担当だが、2年前にはトヨタ本体の副社長だった人物だ。92年大阪大学経済学部卒、同年トヨタに入社し20年に執行役員入り、22年にはトヨタで2年ぶりとなる副社長制の復活とともに最年少で副社長に就任した。
次のトヨタ社長候補とまで言われたが、23年4月に92年入社同期の佐藤恒治社長が就任したことでトヨタ執行役員副社長を退任し、現職に就いた経緯がある。桑田氏は53歳で年齢は井上氏より年下だが、トヨタ内では井上氏よりも格上で「元々は国内営業だが、秘書や人事担当として章男会長が一時は副社長にまで抜てきした人材」だ。トヨタの副社長は1年で降格する形となったが、今回のダイハツ入りで「組織・人事のプロ」としてダイハツ立て直しのキーマンとなる。井上新社長も「新たに就任する桑田副社長に、認証に関する経験が豊富な柳景子取締役(非常勤)と留任する星加宏昌副社長(生産)とで一丸となり、ワンチームでダイハツを再生することがミッションだ」とチームでの再生を強調している。
ダイハツの今後はどうなる?
トヨタグループへの影響は
今後重要なのが、「不正した会社の解体的出直しが必要で、責任者として先頭に立つ」と語った豊田会長がこのダイハツをどう再建していくつもりなのかだ。完全子会社であるダイハツは上場廃止しており、トヨタの社内カンパニーの一つである「新興国小型車カンパニー」の軸となる企業でもある。
会見でトヨタ・佐藤社長は「風土改革など再発防止策を進めるには、現場と対話をした上で長期視点での経営計画が必要になる。海外ではダイハツの負荷を考慮しつつ、得意領域はトヨタが担うといった事業分担の見直し、軽自動車を軸とする方向にも取り組んでいきたい」と語った。