
もしも取引先からの発注が止まったら?
製造業は「二つの問題」で苦しんでしまう
ダイハツ工業の認証不正により生産ラインが停止した問題の影響が、部品や金型などを供給する下請け企業に及んでいます。今般発覚した豊田自動織機の問題も同様です。

小宮コンサルタンツ代表
こうした部品メーカーの多くは、大量に同じ部品(もちろん少量多品種もありますが)をつくることを前提に成り立っていて、量産技術にはすごくたけていますし、親会社が安定して大量に部品を発注してくれるからこそ、安価で良質の部品が生産できるのです。
ところが、ダイハツ工業の例のように、部品メーカーへの発注が止まったり大きく減少したりすると、二つの要因により、急速に経営が苦しくなります。
一つは収益やお金の問題。部品メーカーのような製造業は、設備投資に大きな投資が必要になります。安定して大量に発注があれば設備の減価償却も賄えますが、発注が止まるととたんに償却だけが残り、利益が大幅に減るということにもなりかねません。また、投資資金は、銀行からの借り入れの場合も多く、その返済にも影響します。