「だいたい分かった」は、あなたの不安を吹き飛ばす“魔法の感覚”だった写真はイメージです Photo:PIXTA

たとえ未知なものでも、それを自分なりにまあまあ理解できたり、ざっくりと説明がつく、予測がつくと思えたりすれば、そこまで恐れを感じません。今回は“だいたいわかった”という感覚、「把握可能感」について紹介します。

※本稿は、舟木彩乃『「なんとかなる」と思えるレッスン 首尾一貫感覚で心に余裕をつくる』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の一部を抜粋・編集したものです。

首尾一貫感覚を高めるのに大切な人生経験とは

 人生のさまざまな場面でやってくるストレスに対して、うまく対応していく力、それが首尾一貫感覚です。

 この首尾一貫感覚は、生まれつきの能力(先天的能力)ではなく、育っていく過程で後天的に獲得していく能力です。したがって、自分の努力で後天的に高めることができるとされています。

 本稿では、首尾一貫感覚を高めるレッスンの一部をお伝えしていきたいと思います。

 首尾一貫感覚を提唱したアントノフスキー博士は、この感覚を高めるためには、次のようなことが大切だと述べています。

「第一に、共有された価値観やルールや習慣に基づく経験のように一貫性のある、したがって一貫性が感じ取られやすい人生経験、第二に、負荷が過小でも過大でもなく、バランスのとれた、適度な負荷のかかる人生経験、第三に、好ましい結果が得られたことに自分自身も参加・参与したという人生経験である。これらの人生経験が概ね順に、把握可能感、処理可能感、有意味感の形成につながるであろうことは容易に理解できよう」(『ストレス対処力SOC』山崎喜比古・戸ヶ里泰典・坂野純子編/有信堂高文社)
書影『「なんとかなる」と思えるレッスン 首尾一貫感覚で心に余裕をつくる』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)『「なんとかなる」と思えるレッスン 首尾一貫感覚で心に余裕をつくる』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)
舟木彩乃 著

 これをもう少しわかりやすく首尾一貫感覚を構成する3つの感覚について具体的に説明すると、次のようになります。

把握可能感:みんながお互い理解している価値観や明文化されたルールに基づく人生経験、一貫性のある、統一性のある人生経験
:「ここまでの成果を達成すれば昇格できる」といったような明文化されたルールの下で仕事をする

処理可能感:小さすぎず大きすぎず、バランスのとれた適度な負荷のかかる人生経験
:少し難易度が高い資格取得など、努力すれば乗り越えられる程度のストレスがかかる挑戦をする

有意味感:よい結果、望ましい結果が得られた出来事に自分自身も参加・参与したという人生経験
:賞を獲ったチームプロジェクトに自分も参加していた

 こうした人生経験を重ねることが、首尾一貫感覚の3つの感覚、把握可能感・処理可能感・有意味感を高めることにつながるのです。まずは、本章のテーマである「把握可能感」からみていくことにしましょう。