上場49社超、15業界における月次の業績データをつぶさに見ると、企業の明暗がはっきりと分かれている。前年同期と比べた月次業績データの推移を基に、「嵐」から「快晴」まで6つの天気図で各社がいま置かれた状況を明らかにする連載「明暗!【月次版】業界天気図」。今回は、2023年11月度〜24年1月度のファストフード編だ。
ケンタッキーは売却されるほど業績が悪い?
ファストフードの主要3社が発表した2023年11月度〜24年1月度の月次業績データは、以下の結果となった。
◯マクドナルド(日本マクドナルド)の既存店売上高
23年11月度:前年同月比103.3%(3.3%増)
同12月度:同108.5%(8.5%増)
24年1月度:同105.4%(5.4%増)
◯ケンタッキー(日本KFCホールディングス〈HD〉)の既存店売上高
23年11月度:前年同月比103.1%(3.1%増)
同12月度:同109.6%(9.6%増)
24年1月度:同112.6%(12.6%増)
◯モスバーガー(モスフードサービス)の既存店売上高
23年11月度:前年同月比104.5%(4.5%増)
同12月度:同103.5%(3.5%増)
24年1月度:同102.9%(2.9%増)
3社とも、23年11月度と12月度の数値に大きな差はない。違いが目立つのは、24年1月度の数値だ。マクドナルドが前年同月比105.4%(5.4%増)、モスバーガーは同102.9%(2.9%増)と微増であるのに対し、ケンタッキーは同112.6%(12.6%増)と大きく伸ばしている。
ケンタッキーといえば、運営する日本KFCHDの筆頭株主である三菱商事が、保有する全株式(約35%)を近く売却する方針だと報じられている。売却に向けて実施される1次入札には、外資系ファンドや外食大手が応札するとみられている。
ケンタッキーは、売却されるほど業績が悪いのだろうか? 少なくとも、24年1月度の業績を見る限りはそうは思えない。もっと詳しく検証するため、19年10月から約4年間分の月次動向を振り返り、ファストフード業界のライバルであるマクドナルド、モスバーガーと比較してみよう。