店内をぼんやり眺めるのではなく、商品の一つひとつ、パッケージの細かいところまで見ようとするイメージです。すると、今まで気づかなかった発見がたくさんあることに気づきます。
「こんなカップラーメンが売っているんだ。今日のお昼はこれにしようかな」
「珍しいビールが売っているな。ためしに飲んでみるか」
見えていなかったものが見えるようになることで、ちょっとした新しい体験につながるのです。
次は雑誌コーナーに行って、「目に映る景色の解像度」を上げてみてください。そこにはいろんなマンガ雑誌が並んでいます。
マンガに興味のない人は、いつも素通りしていることでしょう。マンガ雑誌が並んでいるという事実すら、目に入っていないかもしれません。
どんなマンガ雑誌があるのか、ためしに一冊一冊、よく見てみましょう。もし、気になるマンガ雑誌があったら手にとって、パラパラとめくってみてください。
どこかでページをめくる手が止まったら……。
それがあなたの「ワクワク」の始まりかもしれません。
なぜこんな話をしたのかというと、じつは私は漫画『キングダム』のファンで、「週刊ヤングジャンプ」が発売になる木曜日になると、いつもワクワクしているからです。
でも、『キングダム』はたまに休載になるので、そのたびにがっかりしてしまいます。でも、このがっかりがあるからこそ、読んだときの喜びもよけいに高まると思っています。
マンガに興味のない人から見れば、子どもじみていると思われるかもしれません。でも、ワクワクするということは、つまりこういうことなのです。立派なことでなくても、自慢できることでなくてもいいのです。
「おとなは、だれも、はじめは子どもだった。しかし、そのことを忘れずにいるおとなは、いくらもいない」
これは、有名な『星の王子さま』の冒頭に出てくる言葉です。
思えば私たちは、かつては誰もが子どもでした。あのころは、特別なことがなくてもワクワクしていませんでしたか?それがいつしか大人になるにつれ、ワクワクする気持ちを忘れてしまいました。
日常のいたるところに、ワクワクは転がっている。問題は、それに気づくことができるかどうかだけ……。