すると、自分がどんなことに、どれだけの時間を費やしたのかが一目瞭然になります。

 そのうえで、次の2つの問いを自分の心に聞いてみてください。

「本当にそれをする必要があったのか?」
「その時間をもっと大切なことに使えなかったのか?」

 多くの人は、きっと反省することになるでしょう。効率よく時間を使っていると思っている人でも、意外なところでムダな時間を使っているからです。

 朝ごはんを食べたあと、テレビのワイドショーを15分見てしまった。見なかったら、あと15分早く家を出ることができたのに。

 インターネットで買い物をしていたら、30分たっていた。この時間でウォーキングに行くことができたのに。

 気の進まない2次会につき合ってしまった。もし行かなければ、ずっと読みたかった本を読むことができたのに……。

 お金が貯まらない人は、家計簿をつけることが大事だとよく言います。何にいくらお金を使っているのか可視化することで、初めてムダが見えてくるからです。

 この一日の振り返りは、さしずめ「時間の家計簿」といったところでしょうか。何にどれだけ時間を使っているのか可視化することで、ムダな時間が浮かび上がってくるのです。

書影『老後をやめる 自律神経を整えて生涯現役』(朝日新聞出版・朝日新書)『老後をやめる 自律神経を整えて生涯現役』(朝日新聞出版・朝日新書)
小林弘幸 著

 平均寿命が延びたとはいえ、残された時間には限りがあります。貴重な時間を有意義に使うためにも、できるだけ自分の生活のなかからムダな時間をなくしていくようにしてください。

 まとめると、次の3点セットが、私がおすすめする「夜のルーティン」です。

(1)一日の振り返り
(2)3行日記
(3)翌日のシミュレーション

 まずは、ためしに1週間つづけてみてください。きっと嬉しい変化に気づくことでしょう。