夢や目標を実現できる人、できない人の差はどこにあるのか?その答えは、「習慣化」にある。『成功者がしている100の習慣』(ナイジェル・カンバーランド著、児島修訳)は、長年のコーチング経験を通して著者が見つけた、「成功者たちに共通する習慣」をまとめた話題の1冊だ。本書には、あらゆる人が実践できるアイデアだけが紹介されている。だが、そのすべてを行う必要はなく、自分に適したものを選んで行動に移すだけでOKだ。「成功しない人は成功者の真似をしない」と著者は言う。うまくいっている人の真似をすることが成功への第一歩になるのだ。(構成:瀬田かおる)

「人生の成功者たち」は日記やノートに「何」を「どう」書いているのか?Photo: Adobe Stock

成功しない人は過去の自分をベースに未来を考える

「普通の人生を送ってきた。これからもそんな人生が続くに違いない」
「そんな平凡な自分には、これくらいの夢なら叶うだろう」

 こんな感じで、過去の自分をベースにして人は未来を考えがちだ。

 また、過去の失敗から、挑戦してもどうせ失敗するに違いないと自分にブレーキをかけてしまう。

 このようにして、過去の自分をベースにして未来の自分はこんなものだろうと考えてしまうと、その枠から抜け出せず「想定内の範囲の成功」しか手にすることができない。

成功する人は過去を冷静に見つめ直そうとし、成功しない人は過去をネガティブにとらえて自分を苦しめている(P.43)

自分の思考の枠から飛び出してみよう

 叶えたい目標や夢があるならば、過去の延長に今があり、未来に続いていると思うのではなく、今の自分が何を思い、どう行動するかが未来を作っていると考えてはどうだろう。

 そのために、自分はこうであるといった思考の枠から飛び出し、自分の目標や夢はどんなことでも叶えられると自分を信じてみよう。

 過ぎてしまったことは変えられないけれど、今の自分、これからの自分の考えや行動は変えることができる。

過去は変えられない。変えられるのは、自分の考えや感情だけである(P.44)

過去の経験を成功のために活かす

 と言っても、長年の思考のクセはそう簡単に変えられない。

 油断すると「自分はこういう性格だからやり遂げられるはずはない」「どうせこんな目標叶うはずがない」と自分にブレーキをかけていることに気づく。

 そういったマイナスとなる思考のクセをなくすため、習慣にしたいのが「書き出し」だ。

ネガティブをポジティブに換える

 習慣といっても難しいことは何もない。まずはノートを1冊準備しよう。そして夢や目標を書き出しているとき、ネガティブな考えが浮かんできたらすかさずノートに書き出す。

 次にそのネガティブ思考をポジティブな内容に言い換えしてみるのだ。

 例えば「転職ばかりしてきたから一つの仕事を熟知できていない。中途半端な人生だな」といったネガティブな考えが浮かんだのであればそれをノートに書く。

 次にそれをポジティブな内容に言い換えしてみるとこうなる。

「色々な会社を渡り歩いてきたから人を見る目を養えた。それによく考えてみたら自分は新しい環境に馴染みやすいのかも」

 このようにポジティブに転換できたこともノートに書き出していく。

感情もどんどん書き出す

 また、不安に思ったこともどんどん書き出すと良い。悩みや不安は考え出すとグルグル同じようなことを考え続けてしまう。

 そうならないために、悩みや不安が浮かんできたらノートに書き出し、何が原因でそう思うのか、それは本当に最悪の事態になるのかと、自問してみよう。

 それを繰り返した後にノートを見返してみると、マイナスだと思ってきたことが今の自分を作る大切な経験だったことに気づく。

 それはやがて自信につながり、自分にブレーキをかけることがなくなる。ここにきてやっと大きな夢や目標を設定することができるのだ。

 この「書き出し」を習慣にして、過去の経験を成功のために活かしてみよう。

一見すると不可能に思える夢も、目標としてはっきりと書き出すことで実現しやすくなる(P.245)