勝手な正義感で暴走し
暴露動画を配信

 第2回公判は同10月30日に開かれ、弁護側証人として故・ジャニー喜多川氏の性加害を告発してきた元ジャニーズJr.のカウアン・オカモトさんが出廷し「真実を伝えてくれた。恩がある」「彼に救われた人もいる」と謝意を示した。

 カウアンさんは22年11月、被告のライブ配信に出演し「(証言する)勇気はなかったが、ガーシーさんが『守るから。俺が(誹謗中傷を)全部かぶる』と言ってくれた」などと述べた。

 第3回公判は同12月21日に開かれ、被告人質問で、動画配信を始めたきっかけは4億~5億円に上る借金返済のため、知人から勧められたと明らかにした上で、1日に数百件送られてくるタレコミから信憑(しんぴょう)性があるものを選んだと説明した。

「暴露系」も知人の提案だったとし「芸能界は闇が深く、世の中に知らしめないといけないと思った。勝手な正義感があった」と述べる一方、現在も被告を擁護する支持者に「自らの行為は誤りで、被害者への攻撃をやめるよう発信する」との意向も示した。

 今年2月28日の第4回公判では、検察側が論告の前に、綾野さんの「ありもしないことで中傷を受け、CM契約打ち切りなどの影響は今後も続く。厳重処罰を求めます」とする意見陳述書を朗読。

 論告では「意に沿わない相手に虚実を交えて攻撃する脅迫行為を繰り返し、常習性は明らか」と指摘。1億円以上の収益を得たほか「誹謗中傷をエンターテインメントとする風潮を作り出し、模倣(もほう)した犯行の増加が懸念される。実刑にするべきだ」として懲役4年を求刑した。

 弁護側は最終弁論で「目的は正当な告発で社会的意義があった」と陳述。また、暴力行為法は暴力団組員などを取り締まる目的で制定されており、今回の事件で問うのは趣旨に沿わないと訴えた。

 被告は最終意見陳述で「被害者らに不安や恐怖を与え申し訳ありません。もう二度とこのようなことはしないと誓います。本当に申し訳ありませんでした」と反省の意を示し、結審した。