「そそっかしい面があるが行動力の裏返しと考えている」といった、短所を長所に置き換えるテクニックはやめましょう。短所がない人はいませんから、こざかしいテクで印象を悪くする必要はありません。素直に伝えた方が得策です。

 ただし、短所を言いっ放しだとネガティブ面だけが残ってしまいますから、克服や改善のフォローで前向きな姿勢をPRしましょう。

 たとえば、「考えすぎる」なら、「自分がコントロールできない事案は、できるだけ考えないように努めています」といった感じです。

 なお、長所と短所のセット質問は、「長所は◎◎、短所は△△+フォロー」を、基本形として回答します。

 長所を証明する理由やエピソードを語る時間的余裕は、あまりないのでほどほどに。

【OK!】

「長所は、誰とでもすぐ打ち解けられることです。子供の頃、父の仕事の関係で転校を4度経験しました。その度に自分から周りに声をかけるなど、なじむ努力を繰り返しました。そうするうちに、誰とでもうまくやれる自信を持てるようになりました。
 一方でこういった面接のように、厳粛な場では緊張してしまうのが短所です。少しでも緊張感を減らすために、普段から事前準備を徹底するように努めています。
 この面接に臨む前も、自分なりに準備してきたつもりです。この場はこうした準備を発揮する絶好の機会ですので、きちんと出し切って後悔のないようにしたいです」

【NG!】「自信」に説得力を持たせるには

「私の長所は、誰とでもすぐに打ち解けられることで、誰にも負けない自信があります。
 短所は緊張しやすいところですが、何事もいい加減にせず真剣に臨むからこそで、むしろ長所の一つと前向きに考えています」

 ポジティブな内容を長所にするのは良いのですが、「自信がある」だけでは弱いと言えます。

「OK!」例のように「なぜその長所が備わっているのか」を、具体的な経験や事例を用いて端的に説明しておくと、より説得力が増します。

 短所がない人はいませんから、定石通り、短所克服や改善のフォローで、前向きな姿勢をPRしておくのがベスト。短所を長所に置換するのは「浅薄な就活テクに溺れた人」と見なされ好感を持たれません。