JALとANAの業績回復で行政支援に出口?「新年度の変化」を専門家が解説Photo:Diamond

コロナパンデミックから脱却し、世界では、航空需要がコロナ前を取り戻している。JAL、ANAをはじめとする日本の航空会社および空港は、コロナパンデミックで財務的に厳しい状況に追い込まれたが、今は改善しつつある。日本の空の移動を支える日本の航空会社および空港に対し、行政支援は2024年度にどのようになるのであろうか。事情に詳しい赤井伸郎・大阪大学国際公共政策研究科教授が、2回にわたり、ポイントを解説する。(大阪大学大学院国際公共政策研究科教授 赤井伸郎)

コロナ収束後の旅客需要は
いまだ回復途上

 国際航空運送協会(IATA)の発表(※1)によれば、2023年は国際旅客輸送量が大幅に回復し、世界の有償旅客キロ数 (RPK) は前年比 42% 増加し、コロナ前の水準の89%に達している。労働力不足、サプライチェーンの制約、高インフレ、地政学的緊張など、世界には、直面する課題が多く存在する中においても、コロナパンデミックの間に需要が蓄積されていたこともあり、それらの課題を乗り越えるだけの強い航空需要が生まれている。

 23年のアジア発着の国際航空需要は、22年と比較すると、197%と高い成長を示したものの、19年比で見れば、いまだ、64%のレベルにとどまっている。日本や中国などの国において、23年半ばまで、国際移動の制限があったことも、回復が遅れた要因である。

 24年1月作成の国土交通省航空局資料(※2)によれば、本邦航空会社10社の国内線旅客数は、対コロナ前比で、23年すべてを通じて90%台まで回復してきている。

(※1)https://www.iata.org/en/publications/economics/chart-week/chart-of-the-week-9-february-2024/
(※2)令和6年度航空局関係予算概要p23
https://www.mlit.go.jp/page/content/001720601.pdf