堂々めぐりの不安にさいなまれたら
回答者:デトロイト・ピストンズなどの心理療法士、コーリー・イェーガー氏(博士)著書に『How Am I Doing?: 40 Conversations to Have With Yourself』
私が選手やコーチからよく聴く訴えは、「不安」ばかりです。不安とは何でしょう、それは将来起こりそうな事柄について心配したり、くよくよ悩んだりすることです。不安は必ずしもネガティブなものばかりではありません。「もっと身体を鍛えよう」とか、「もっと勉強しよう」といったやる気につながるものもあります。ですが、私がここで問題にしているのは、「チームから切られるのではないか?」「次の契約はどうなるのか?」「家族や友人の誰かがもっと経済的支援を求めてくるのではないか?」などと、堂々めぐりに陥るような類のものです。
私は選手たちに、「不安とはあくまでも、未来を想定して生じるものだ」ということを理解してもらうようにしています。あなたが不安を感じているその瞬間には、まだ何も起きていないわけです。まだ現実に起きていないことに無駄な心配をし、決して起こらないかもしれないことにエネルギーを費やしているのです。
ねので私は、先のことばかりにとらわれず、今この瞬間のことに集中するようアドバイスします。コートに出るときはルーティンをこなすこと、それ以外ありません。呼吸を整え、座右の銘があれば、それを口にしてみましょう。精神を統一し、これまで数えきれないほどやってきたように、フリースローの練習を行ってください。私たちは、今この瞬間に取るべき行動や反応をコントロールできることを知っています。これから起こることを心配したり、不安に思ったりする必要はないのです。これが不安から解放する方法です。