原因⑤:前立腺肥大症かもしれません
尿の出が悪い場合、前立腺肥大症(*12)もしくは前立腺になんらかの関係がある可能性があります。ホリングスワース医師によると、「尿が以前のように勢いよく出なくなったり、尿が便器の壁に当たらなくなったりすることに最初に気づくかもしれません」と言います。さらにこう続けます。
「そこで実際、膀胱がいっぱいになりすぎた状態がしばらく続くと、空にするのに時間がかかることがあります。それが膀胱壁の筋肉を傷つけ、膀胱の膨張や損傷がますます大きくなることもあります」
この状態がさらに進行すると、排尿し始めることも難しくなるそうです。すると、ますます排尿の回数が増えるとのこと。
前立腺肥大の原因を知る手がかりの1つは、排尿回数が多い時間帯です。「男性の場合、夜間頻尿または夜間の排尿の原因のトップは、前立腺肥大症です」と、医学士(*13)は言います。彼は泌尿器科医でニューヨーク市の泌尿器科専門医師組織のディレクターを務めています。
「前立性肥大症は一般的に45歳から50歳以上の男性に起こりますが、30代半ばから症状が始まる男性もいます」
「前立腺肥大」と診断された場合、幸いなことに治療の選択肢は数多くあります。それはα遮断薬、抗ヒスタミン薬、アミトリプチリン(抗うつ薬)などです。また、生体を傷つけない、非侵襲的な方法で肥大した前立腺を縮小させる前立腺動脈塞栓術*¹⁴を試すこともできます。この方法は安全で効果的ですが、副作用として膀胱痛や尿や精液に血が混じり、直腸から出血することがあるので注意が必要だとボーテセン医師は話しています。また手術をすすめられることも…。
さらに、革新的な治療法もあります。「ウロリフト(*15)(経尿道的前立腺吊り上げ術)」と呼ばれる手術で、これはインプラントを埋め込み、前立腺を持ち上げ尿道を広げることで排尿が妨げられないようにするものです。
経尿道的水蒸気治療(*16)は、「レジューム」と呼ばれる医療機器を使い水蒸気を利用する低侵襲手術です。シュテンシュルユガー医師によると、どちらも術後の回復時間が短いという利点があります。
「これらの治療法を使うと、薬による治療や外科的治療の副作用として起こりうる性的副作用、特に射精障害が避けられます。前立腺が非常に大きい場合には、前立腺の内腺をくり抜く(ホルミウムレーザー)前立腺核出術(*17)が最も効果的と考えます」