原因②:尿路感染症かもしれません

 尿路感染症(UTI)は女性が罹る病気と思われがちですが、男性も無縁ではありません。「UTIそのもののせいで頻尿に陥るだけでなく、UTIが過活動膀胱の症状を引き起こすこともある」とブラームバット医学博士は話します。

 膀胱炎もUTIの1つです。男性が膀胱炎になるのは排尿回数が少ない場合がほとんどですが、便秘、または最近尿路の手術を受けた、腎臓結石になった、コンドームせずにアナルセックスした、などの理由でかかることもあります。「尿道が短い男性は、この症状にかかりやすいのです」と言います。

「肛門には大量の細菌が生息していますが、その主なものは大腸菌です。コンドームをせずにセックスすると大腸菌が尿道に入り、UTIを引き起こす可能性があります。UTIは膀胱を刺激し、基本的に膀胱壁を炎症させます」

 OABとは異なり、UTIは適切な治療を受ければ短期間で治ります。ほとんどのUTIは、抗生物質で治癒するとのこと。

原因③:間質性膀胱炎かもしれません

 間質性膀胱炎(IC)(*9)は膀胱症候群(BPS)とも呼ばれ、ボーテセン医師によると頻尿や膀胱圧迫感、痛みを引き起こす慢性疾患です。UTIは感染症なので抗生物質を服用することで容易に治療へと導くこともできますが、ICは長期的な症状でそう簡単には治らないということ。

「ICにかかると切迫感を感じ、排尿の回数が増え、尿の量も普通の人より少なくなる傾向があります。この症状は尿の中にある刺激物質による膀胱への免疫反応に起因するもので、膀胱を傷つけたり、切迫感や膀胱の痙攣(けいれん)を引き起こします」

 残念なことにICの診断は厄介で、見つけられなかったり他の病気と誤診されたりすることがよくあります。

「この疾患の診断と治療はOABとよく似ています。ですがICは、自己免疫疾患だと考えられているためシクロスポリンなどの免疫抑制剤が治療に用いられます」と、ポーテセン医師は言います。

原因④:糖尿病かもしれません

 頻尿は糖尿病の初期症状です。NYCサージカル・アソシエイツの医学博士(*10)によると、「それは身体が、血液中の糖を尿で排出しようとするためです」とのこと。

 糖尿病になると血液中に糖分が過剰(*11)になるため、腎臓は糖分を取り込まざるを得なくなります。腎臓はそれを尿で出そうとするため、頻繁に尿意を催すのです。頻尿になると体液が失われ、それを補うために組織から体液を取り出そうとする…そのため、脱水症状を引き起こす可能性もあるということです。

 もともと糖尿病患者はのどが乾くため水分の摂取量が増え、排尿の回数が増えることがあります。そうすると脱水症状が悪化、悪循環が続きます。心当たりのある人は一度、検査を受けたほうがいいでしょう。