わが子の中学受験の伴走を全力で楽しんだ5人による座談会の中で、特に濃い部分を雑誌版の10倍近いボリュームで3回に分けて紹介する第2弾。特集『わが子に最強の中高一貫校&塾&小学校』(全46回)の#41では、「わが家の戦略」を取り上げる。先取りの是非、自己肯定感の高め方、家庭学習の内容などに加えて、「地力に劣る弱者の戦略」問題についても熱く語る。(ダイヤモンド編集部 篭島裕亮)
エロイーズさん(江口) @Gimlet71004011
長男はSAPIXから、2月1日午後を落としながらも難関校に合格。中1男子、小5女子、小2男子の父親。本人は筑駒→東大。趣味は過去問研究。
エスママ @yumeloshun
長男は母推しの難関校に進学。3年生入塾時偏差値30から3年間で偏差値30アップを達成。5年生まで週末はサッカーやテニスを満喫。
たけひろ@2024中受終了 @H7CVSV6at2bXTEN
次男は超難関校の灘、開成、筑駒に合格。4年生から3年間SAPIXの「α1」を維持。長男はSAPIXから御三家。
勉三パパ・中学受験2024(勉三) @juken2024
次女が四谷大塚偏差値60以上の難関校に合格。長女も7年前に中学受験を経験。出張にも「予習シリーズ」を携帯する中受マニア。
みやび @5363sakura
長男が2月1日午前の難関校に合格。塾はお世話になったアントレ推し。長男は英語も得意。今後は英語でのディベートにも参加予定。
算数の先取りは有効?
社会は直前からでも間に合う?
――中学受験における「わが家の戦略」を教えてください。
たけひろ 次男の中受の特徴は、(1)極力自走(2)算数先取り(3)塾はいろいろな塾からいいとこ取り、という感じです。ただ、(1)と(3)は長男のときはやっていなかったですし、その子の性格や能力で伴走方法は異なります。だからこそ、難しくて面白い。
算数の先取りはした方がいいと思っています。SAPIXのテキストなどを動画で解説するコベツバの村中(毎悟克)先生も指摘していますが、解法という武器を手に入れただけで満足してはダメなんです。完全に使いこなすには時間が必要で、そのためにも先取りはお勧めです。
――算数の先取りはどうやって取り組まれたのですか。
たけひろ フォトン算数クラブに4年生まで通っていました。フォトン、入るのが大変でした。1年の11月ごろにテストを受けるのですが、入塾テストの倍率が高いんですよ。
実際、意識が高い家庭、子どもが集まっていました。5年、6年は別で先取りに取り組んでいたので辞めましたが、フォトンで高速道路に乗せてもらった感じでしたね。
江口 わが家は社会の細かい知識が聞かれる学校を志望していなかったので、戦術として社会の知識を劣後させ、本番まで残り50日で追い込むという無謀な実験をしました。でも、そうすると最初はズタボロでも、最後は一定程度できるようになる。
志望校も本人の希望もあり、対策が利く学校でそろえたので、模試の偏差値も気にしませんでした。SAPIXの模試で合否が決まるSAPIX中学を受けるわけではないですから。
たけひろ 1人目で独自路線はすごいですよね。勝てば官軍ですけれど。
江口 極端なことをやっているつもりはなく、SAPIXで学ぶ一部の領域は出ないので本番から逆算して取捨選択しているだけです。ただ、それだと本命は取れても、併願校を落とすリスクは避けられないのも事実です。
――今回の取材では、勝手にアレンジして対策をする家庭に困っているという塾の声を複数聞きましたが……。
塾に委ねる部分と、家庭で判断していく部分をどう決めるか。さらに「先取り」や「家庭学習の量や取り組み方」「塾のクラス昇降への対応」など、次ページでは座談会参加者で意見が分かれた部分も隠さずに、わが子が中学受験をした直後の「保護者の生の声」を、雑誌版から大幅に拡大した特大ボリュームでお届けする。