練習試合の中継もチェック
山口一郎のガチファンぶり

 山口は2022年7月からおよそ1年半、音楽活動を休止していたが、その理由でもあった体調不良から回復。2024年4月からは全国ツアーを再開している。

 2024年2月17日が取材日に設定されたのだが、山口はその前日まで、それこそ寝る間を惜しんで、新たな楽曲制作に没頭していた。

 それでも取材前には、沖縄・北谷で行われていた中日とDeNAの練習試合をネット中継でチェック。先発した根尾昂の3回無失点に「テンポよく投げて、ちゃんとストライクから入っていましたし、よかったですよ」。2番手の左腕・橋本侑樹の1回無失点にも「めちゃめちゃよかったですね。彼の課題は制球力ですから」。

 私は2月7、8の両日、北谷キャンプへ取材に出向いていた。

「打つ方がだいぶよくなっていましたよ」とキャンプで目立った2年目の内野手・村松開人の成長ぶりを報告すると「きょう、打球を顔に当てちゃって……。大丈夫かな?」

 こんな感じでドラゴンズ談義は止まらず、20分程度の予定だった取材時間は、いつの間にやら、1時間を軽く超えてしまった。トップクラスのミュージシャンへのインタビューなのに、レコーディングを終えたばかりの新曲や目前に迫っていたツアーの話題などは一切出ず、ひたすらに中日ドラゴンズへ注ぐ愛情と立浪監督への信頼感、球団の再建論、果てはプロ野球球団経営の改革論にまで話は及んだ。

 最初から最後まで、山口は愛する中日と野球を実に熱く語ってくれた。

ナゴヤ球場初の“アーティスト広告”
広告費はいくらなのか?

 ナゴヤ球場のフェンス広告を出すきっかけは「サカナクション」のすぐ左横、同じようにフェンス広告を出している「佐藤あつしクリニック」が大きく関係していた。

 ミュージシャンとしてライブツアーなどで全国を渡り歩くため「のどの調子が悪いときとかに診てもらう主治医が、各地にいるんです」と山口。名古屋の主治医が、ナゴヤ球場と同じ名古屋市中川区にある「佐藤あつしクリニック」の院長・佐藤温だった。