ロシアで使用される投票箱は無色透明。しかし、投票口が極端に狭いため、投票用紙を折って入れることはできない。さらには、選挙管理員が投票箱の真横に座る。野党候補には入れづらい。

 2023年9月に行われた統一地方選では、政権与党である「統一ロシア」が圧勝。この選挙は、ロシアが一方的に併合を宣言したドネツクやルガンスクなど、ウクライナ4州でも実施された。

 ヨーロッパの主要人権団体「欧州評議会」は、この選挙を「明確な国際法違反」と指摘。その他、「有力な野党候補への出馬阻止」「野党候補の拘束」といった事件も起きているとされる。

 このような批判に対し、ロシア政府は「プーチン大統領は国内で群を抜いて人気がある」との見解を示した。

 2020年に行われた憲法の改正によって、「任期は最長2期12年(1期6年)」となったが、同時に「これまでの任期は適用外」とも決まったため、プーチンの再出馬が可能となった。2024年3月の大統領選で当選したプーチンは2036年まで続投することになる。その時、プーチンの年齢は83歳である。

 目指すところは「終身大統領」か。

●ジョーク「実施困難」
 ロシアではこれから向こう10年間、選挙の実施が困難な状況になってしまった。

 内務省に泥棒が入り、今後10年間の選挙結果を記した書類が盗まれてしまったから。

●ジョーク「必勝」
 プーチンが死んで、ついに地獄へと落ちた。

 地獄の悪魔が、プーチンにこう言った。

「地獄に落ちた者は、まず私と勝負することになっている。勝負の方法はそちらが決めていい。殴り合いの喧嘩でも、拳銃の早撃ちでも、トランプのポーカーでも。ロシアンルーレットだって、あるいは君の得意な柔道だって構わない」

 悪魔が笑いながら続けた。

「しかし、これまでに誰一人、私に勝った者はいない。もしも勝てば天国行きだ。さあ、勝負方法を決めな」

書影『世界のロシア人ジョーク集』『世界のロシア人ジョーク集』(中央公論新社)
早坂 隆 著

 そう言った悪魔が、急に神妙な顔つきに転じて続けた。

「ただし、選挙はダメだ。選挙だけはな」

●ジョーク「保障」
 プーチンが声高に言った。
「我が国では、投票の自由が完全に保障されている」

 新聞記者が聞いた。
「投票後の自由は保障されているでしょうか?」

●ジョーク「選挙結果を受けて」
 ロシアで大統領選挙が行われ、プーチンが得票率82%で当選した。

 今後の数週間で、人口が18%ほど減少するだろう。