何でもいい。「小さな挑戦」を続ける
最近では、私も病気のために室内で過ごすことが増え、新しい経験をする機会は以前ほど多くはありません。それでも私の特技は、絶えず小さな挑戦をし続けるということです。
写真展の開催も、イラストを描いて本を出したこともその一環です。今は、新たに出会った人たちと次の挑戦の準備中でもあります。その行動のどれもが、カメラマン並みに写真が撮れたからでも、画家のように絵が描けたからでもありません。ただ、私が美しいと発見した驚きや感動を、他の人たちと共有したかったからに過ぎません。
それでも、私の作品を見た人たちから、「あなたの撮る水滴の写真は、本当に美しい」「先生の描いたくねくねのイラストを見ると、心が安らぎます」などと言ってもらえたのです。私の新しい挑戦にも意味があったと思えました。何よりも、こうした新しいチャレンジの最中は、ワクワクして人生が豊かになったように感じられました。42歳でパーキンソン病と診断され、65歳を過ぎた今、改めてそう思います。
もし私が人生をやり直せるなら、もっともっと、失敗したい。光の速さで過ぎ去る時間の中で、もっと多くの経験をし、ちょっとやそっとのことでひるんだりしない。そうやって培った経験が、いかに価値のあるものかよく知っているから。
(本原稿は『もし私が人生をやり直せたら』から一部抜粋、追加編集したものです)