顧客となる日本企業からの需要が引きも切らず、有数の高年収で知られるコンサルティング業界。大手外資系ファームを中心に、近年展開されてきた「給与引き上げ合戦」の様相には一服感が出てきた。一方、直近では国内の新興ファームの間で、一番下のクラスでも「年収2000万円」という異例の好待遇で採用される例が出ている。特集『賃上げの嘘!本当の給料と出世』の#11では、そんな驚きの実態を明らかにする。(ダイヤモンド編集部 竹田幸平)
アナリストで年収2000万円!
「超高年収」の新興勢とは?
“給与引き上げ合戦”。以前から有数の高年収で知られるコンサルティング業界だが、好調な昨今はこんな言葉で形容できるほど、大手外資系ファームなどの間で給与増の動きが相次いできた(『アクセンチュア、マッキンゼー…外資コンサル「給与引き上げ合戦」最新事情&職位別の給与レンジ』参照)。
その代表格といえるのが、いわゆる三大戦略ファームの「MBB(マッキンゼー・アンド・カンパニー、ベイン・アンド・カンパニー、ボストン コンサルティング グループ)」や、世界四大監査法人グループの「BIG4(デロイト、PwC、EY、KPMG)」、アクセンチュアといった一群だ。
一方で、ここにきて国内産業界にも本格的な賃上げの波が到来。今年は例年以上に、大幅な基本給引き上げや賞与増額に動く日本企業も少なくない。そうした中でも、コンサル各社は待遇面で優位な立ち位置を保てるのだろうか――。
結論を言えば、その強さに揺らぎはなさそうだ。
何しろ、DX(デジタルトランスフォーメーション)に絡む案件をはじめとして、顧客となる日本企業からの依頼は引きも切らず、コンサル各社は大量採用を伴いながら高成長を継続。優秀な人材を確保すべく、好待遇を提示して、積極採用に動いてきた。そして、ただでさえ高給取りだったコンサルタントの年収は過去数年、さらに水準を切り上げてきたのだ。
実は今、そんな好待遇のファームすら大きく凌駕する、「超高年収」の新興勢が登場し始めたことをご存じだろうか。何と国内独立系ファームの間では最近、一番下のアナリストクラスでも、「年収2000万円」という異例の水準で採用される例が頻発しているのだ。
次ページでは、これまでの“給与引き上げ合戦”の実情を反映した、大手外資系ファームにおける戦略系・総合系のクラス(職位)別の給与レンジや、東京証券取引所に上場する日系ファーム(主要15社)の平均年収ランキングを大公開。さらに、上述の「超高年収」のコンサルタント採用に動く、成長著しい新興ファームの実名を明らかにする。