『努力革命』の「革命」は主権者が学習者に変わること

坪田:この『努力革命』の「革命」は、おっしゃるとおり主権者が学習者に変わることです。

 人それぞれ、できること・できないことは微妙に違うじゃないですか。「break‐broke‐broken」にしても、brokenを覚えていない子もいれば、brokeを覚えていない子もいます。あるいはbreakの綴りを、breekと覚えている子もいるわけです。それをちゃんと判別してくれるのはAIじゃないですか。

尾原:そうなんですよね。今回の『努力革命』の表紙に、まさに今、坪田さんが言ってくれたような象徴的なイラストを書いています。

 要は、自分から学ぶんじゃなくて先生が教えるのは、生徒が多くて階段の量を一定にせざるを得ないからです。そうすると、生徒によっては「break‐broke‐broken」が覚えられなくて、「こんなに高い階段は上れない」となってしまいます。坪田さんが言ったように、階段の幅をその人に合わせて小さくしてあげればいいんだけど、やっぱりそれには限界があります。

 ChatGPTのすごいところは、その人に合わせて「ここの階段が上れていないから、一歩進めばいいよ」と言うだけじゃなくて、課題が解決すると、「もう一歩進むためには、こうしたらいいよ」と、その階段の先も簡単に作ってくれることです。『ヤッターマン』の「豚もおだてりゃ木に登る」ではありませんが、階段を上り始めたら、より高く上るのが楽しみですからね。

坪田:おっしゃるとおりですね。

尾原:このあたりは、羊一さんが書いてくださった絵から始まっているんですよ。

伊藤:最初はどんな絵だったか覚えていないんですけど(笑)。