【無料公開】日本の財政は金利2%超で「赤信号」、国債利払い費増が社会保障費増を上回る時代にPhoto:PIXTA

これまで財政を大きく圧迫してきたのは、高齢化に伴う社会保障費の増加であり、財政健全化の議論では社会保障費の抑制が大きなテーマでした。しかし、今後は国際利払い費が社会保障費を上回るペースで増加し、財政を圧迫する度合いが大きくなるとみられています。人気連載『金利復活』から、大和総研経済調査部シニアエコノミスト 末吉孝行氏の寄稿をもう一度、紹介します。

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長い超低金利政策で弛緩
財政は金利上昇に耐えられるか

 2024年の日本経済の注目点の一つは、日本銀行の金融政策の正常化だ。

 1月19日に公表された23年の消費者物価指数(除く生鮮食品)の上昇率は前年比3.1%と41年ぶりの高い伸びとなり、今春闘の賃上げ率も、3.58%(連合集計値〈加重平均〉)と30年ぶりの伸び率となった昨春闘を上回る可能性が高まっている。

 日銀は、物価と賃金の好循環が確認されたとして4月にもマイナス金利を解除すると思われる。その後も、経済物価情勢を慎重に見極めながら緩やかに利上げを進めるだろう。

 これは「金利復活」の始まりといえる状況だ。1990年代後半からデフレが続いてきた日本経済だが、構造的な人手不足の中、賃金上昇を伴うインフレの定着とともに再び金利が戻り、さらに上昇していく時代になる。

 だがそのとき、超低金利に慣れきった日本経済は対応できるのだろうか。

 とりわけ、多額の債務を抱え過去のツケ払いを抱える政府にとって、金利上昇は大きなインパクトを与え得る。

 長い超低金利で弛緩した財政規律を立て直すことは喫緊の課題だ。