植田日銀「サプライズ」利上げ、“予想外”を読み解く3つのポイントを元専属スタッフが解説Photo:JIJI

政策金利、0.25%に引き上げ
市場の予測覆し「同時利上げ」

 日本銀行は、7月30日~31日の金融政策決定会合で、日銀の国債購入を26年1~3月には現在の月6兆円程度から月3兆円程度にまで減らす国債買い入れの減額計画を決めると同時に、無担保コールレート(オーバーナイト物)の誘導目標を、現在の0~0.1%から0.25%程度へと引き上げることを決めた。

 政策金利引き上げは、今年3月、マイナス金利解除とあわせた17年ぶりの利上げに続くものだ。市場などでは、個人消費に弱さが見られる中で、金利上昇につながる国債買い入れ減額との「同時利上げ」を予想する見方は少なかったが、その意味ではサプライズの利上げだった。

 さらには、政策決定文で、今後も利上げを継続する方針を明記するなど、予想以上に踏み込んだ。

 大規模緩和からの脱却に本腰を入れる姿勢を改めて印象づけるとともに、「円安」対応への苦慮が感じられる。