骨も運動や食事が大きく関わっています。まず運動ですが、骨は刺激を与えないと弱っていきます。また骨に必要な栄養素を食事からとらないと、やっぱり骨は弱くなります。

 さらに日光に当たらない人は、骨が弱くなりやすいこともわかっています。

 このように、骨の強さには生活習慣が大きく影響しているのです。

 筋力低下や認知機能の低下と同じように、骨粗しょう症もゆっくり悪化していきます。しのび寄るように進行するといってもよいでしょう。

寝たきりの原因
4つ目は脳卒中

 脳卒中は脳血管障害とも呼ばれますが、現在の日本では脳卒中が寝たきりの原因の第2位となっています。

 脳卒中では脳動脈が詰まったり破れたりすることで脳組織がダメージを受けます。そして、まひ、失語症、認知機能低下といったさまざまな症状があらわれます。

 これらの症状は適切なリハビリによって回復することもありますが、逆にリハビリを行っても症状が改善せずに、ついには寝たきりになってしまう患者さんもいます。

 これまでの3つの寝たきりの原因(筋力低下、認知症、骨粗しょう症)と脳卒中には決定的な違いがあります。

 それは先の3つがしのび寄るようにゆっくりと進行してあらわれてくるのに対して、脳卒中は突然に発症することがほとんどであるということです。

 発症の数分前まではまったく元気であった人が、脳卒中の発症と同時に一気に運動機能や認知機能が障害されてしまうのです。

 脳卒中の発症には前触れがあることが少なく、脳卒中の発症を予知することは困難です。

 しかし、どんな人が脳卒中になりやすいかは、すでにわかっています。言い換えると、脳卒中の危険因子はすでに明らかになっているということです。

 脳卒中の危険因子としては、脳動脈硬化を悪化させるもの、具体的にいうと高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙です。

 これらをしっかりと治すことで、脳卒中の発症リスクは下げることができます。そして、これらの危険因子をなくすためには、生活習慣の改善や食事療法が非常に重要になってきます。